アスペルガー❤️日記

ASDでもADHDでも、ハッピーに生きることをあきらめない

【実体験による発達障害】幼年期におけるADHDの心がまえ

文部科学省特別支援教育に関する調査』によると、2020年、通級による指導を実施した児童生徒数は16万4,693人。前年より3万人近く増加しました。図表のとおり、発達障害者支援法ができた2004年(平成16年)以来、右肩上がり。特にADHD注意欠陥多動性障害)は10年で6倍に増えるなど、LD(学習障害)、自閉症、情緒障害とされる児童生徒の数が急増していることが分かります。

*1

 

発達障害児が「急増」する?

発達障害児が「急増している」という記事を見た。もちろん、今の子供が急に変異したわけでもない。40年前に子どもだった自分は、診断自体は大人になってから受けたが、その当時から典型的な「発達障害児」だったのだから。

 

しかしながら、行政が調査をすることによって、発達障害のある子どもが認識されることの意義は大きい。なぜなら本人だけでなく、親や学校、教師にとって、デメリットがなく、メリットがあるだけだからだ。

 

発達障害の児童が「発見」されるのは良いことだ

もし就学前の子どもであれば、適切な療育を受けることで、子どもにとっての社会生活すなわち学校生活の、前に準備することが可能だ。例をあげよう。

わたしには発達障害を持つ甥っ子が二人いる。

一人は幼稚園の時に、教師が発達障害の検査を両親に勧めたおかげで、就学前に「時間を見る」ことや「音楽によって自分を表現すること」を学ぶのに充分な時間を取ることができた。彼は中学生の今も、普通学級に通いながら、書道や卓球などの課外活動で精力的に活動し、「太鼓の達人」にハマり、自作した「太鼓の達人」の専用バチをメルカリで高値で売っている。もう一人の甥っ子の方は、小学校の発達障害児のサポートを受けているが、勉強についていけない、集中力を欠くなど苦労している。

行政に彼らの障害が認識されるということは、相応のサポートが受けられるということでもある。例えば 浦安市では、市独自で『障がい児療育事業参加費用の助成』という制度があり、療育にかかった費用のうち、月5,000円まで市が補助してくれる

発達障害児を持つ親にとっても、市区町村による助成やサポートの違いを調べることで、子どもの療育に関する支援のある地域を住まいとすることもできるだろう。

 

発達障害であるかどうかを知ることは人生全般を通じて影響する

 

もし発達障害の支援を対象となるかどうかを幼年期に知らなければ、適切なサポートが受けられないだけではない。大学生や社会人になってから、不適応などの二次的な困りごとや壁にぶち当たってはじめて、WAIS等の診断を受けることになる。その場合に生じる精神的なダメージやキャリアのつまづきなどは、時間的、精神的に挫折につながるものとなるだろう。

特別支援教育に関する調査』は単に、学校教育のあり方だけに影響するものではない。発達障害を持つ人の人生全般にとって大きなメリットとなる指針と言える。

 

チェック✔️低年齢で発達障害と分かることはデメリットよりメリットが多い。

 

as-diary.hatenablog.com

 

*1:「連載」統計から紐解く日本の実情2022 第259回-1回

【発達障害の傾向がある人向け体験談】心理療法の助けを得るには?

 

カウンセリング、コーチング、セラピーなどのさまざまなセッションを受けて

 

カウンセリング、コーチング、セラピーを15年以上受け続けている。

期間については、単発で受けたり、半年間という期間を設けたりとその時の状況による。カウンセラーであれ、コーチであれ、誰かに依頼する前に、無料・有料の体験セッションもあったりするので、何十人もの人のセッションを受けた事になる。多くの心理的サポートを受けられたことに感謝する反面、継続するためのセッションフィーをどう払ったらいいか悩んだこともある.

 

 

わたしはカウンセリングやコーチングなどの専門家ではないが、それを受ける側としてはたくさんの経験を積んできた。ASDのわたしが『受ける側』として感じたことがあるので語っておきたい。

 

カウンセリングを受けるべきかどうか。

カウンセリングを受けた方がいいのかどうか、迷う人は多いと思う。

わたしがカウンセリングを受けたのはASDの診断後だ。診断結果の受け止めとともに、自分の中に引っかかる問題があり、辛く感じた頃で、オンラインでのカウンセリングを受けることにした。

 

<カウンセラーの選び方>

プロフィールを参照しながら、次のような基準で選ぶと良い。

  • プロフィールの中から、自分が話したいトピックについて「得意」としている人
  • 臨床心理の経験がある 
  • 写真を見て話しやすそうなカウンセラーと自分が感じるかどうか

カウンセリングは1回でその人にするかどうか判断するのは難しい。大抵の場合、自分のその時の状況を話すだけで精一杯だ。ASDである自分の場合は、とりわけ、「細部を説明しようとするあまり、重要なことが抜けてしまう」ことがある。

自分が本当に感じていることや考えていることを話し、それに対するカウンセラーからの反応やフィードバックを聞いて、初めて「この人に頼むかどうか」を決めることができるもの。だから3回くらいのセッション代を支払っても良いと思えれば、受けていいと思う。

 

自分は視覚情報があると話の内容に集中できない場合は、オンライン・カウンセリングを利用するのも良い。特にコロナ以降オンライン・カウンセリングが普及したようで歓迎したい。心の問題は、話すのにもエネルギーを使うので、セッション前に移動があったりすると、それだけでしんどく感じたりする。その点、家で(ベッドの中からでも)セッションが受けられることの恩恵は大きい。

また音声のみのカウンセリングでは、カウンセラーの声がセッションの心地よさを左右することもある。

 

前向きに生きたいならコーチング?

コーチングはわたしが一番長く受けてきたものだ。コーチングについては「受ける」だけでなく実際に自分が「コーチング」をやってみたいと思い、コーチング団体が主催するワンデーセミナーを受けに行ったこともある。

 

コーチングには何か引き寄せるものを感じる。人生をより良くしよう、その人の潜在能力を最大限に伸ばそう、のように。(だからASDの自分はもっと「まともな」生活を送ることを渇望し続けて継続したのだろう)

確かに、セッションを通じて、「あっ!」という強い閃きを(ひらめき)感じたことも何度かある。何かそこに、価値があるような・・・でも無形のサービスである限り、費用対効果の有無を語るのは実際に困難だ。

コーチング界隈でよく疑問を呈されるのが、セッションの料金設定とその提供している価値のバランスについてだ。

 

例えば次のような言説である。

 

「金銭的に余裕がないクライアントに対して、そもそも料金設定が高すぎるのではないか」

「高いお金を払っているからこそ、クライアントがコミットし、効果がでるものだ」

 

経験豊富なコーチの方が少ないコーチより高いのは、誰もが納得できるだろう。でもそもそもの適正価格って?

 

これは1セッション5000円から20万円まで払ったことがあるクライアント体験者としての考えだ。

あなたがコーチを選ぶ時、おそらくその人の(コーチング以外)の経歴に惹かれることが多くないだろうか。

コーチはキラキラした経歴の人が多く、さらに自分は「○○○コーチです」というブランディング(?)をしている人も多い。

わたしはこの人に会ってみたいとか、話してみたい、などの直感を感じる人であれば、まず一回受けてみるのはいいと思う。コーチングはカウンセリングと違い、一回受ければ大体相性の合う合わないがわかる。

フィーが高いかどうかについては、あくまで自分中心に決めればいいと考える。払えると思えばセッションを受ければ良いし、高いと思ったら受けないというのがコツだ。

 

そもそもセラピーとはなんだろう?

ここで取り上げるセラピーはよく日本で見かける「○○○セラピー」といった名称のものを指す。ヒプノセラピー(前世療法)やインナーチャイルドなど。日本では《スピリチュアル》なものに分類されることもある。

 

セラピーとカウンセリングは「悩み事や困りごとを聞く」という点では同じかもしれないが、カウンセリングは、クライエントの話を整理したり、会話のなかで、気づきを得ることが多い。一方セラピーは「癒し」という言葉の通り、もっと範囲が広い。セッションの場ですぐ具体的な解決策が出てくるとは限らないこともあり、その変化を後日の日常生活で実感することもあるだろう。

また国家資格ではなく、その技法を学んだセラピストが施術をしている場合、発達障害ASDADHDを前提にしてのサポートは期待しにくい。

むしろ「困り事」「悩み事」そのものの解決に焦点を当てるので、気軽に体験したり、誘導が行われるなど、セラピストとクライアントの「共同作業」と捉えることもできるだろう。

 

自分の大切な家族、友人、仕事を守るために

以上、これまでカウンセリング、コーチング、各種セラピーを受けてきた筆者自身の体験である。大雑把に分けると、ASD診断を受ける前の困りごとはセラピー、何か目標があればコーチング、障害や自分自身とじっくり向き合いたいときにはカウンセリングという形でサポートを受けてきた。

 

発達障害の診断の有無に関わらず、ASDADHDの傾向がある人にとって、心理的なサポートを受けることは、ほぼ生涯全般にわたって必要なことなのかもしれない。無論、家族や友人に話をすることも大事だが、身近な人が発達障害者の「困りごと」を忍耐強く聞き、長期間サポートしていくのは、容易なことではない。

 

自分の心のセーフハーバーを見つけることが、自分と自分の大切な周囲の人にとって、良い関係を維持していくための鍵であると言えるだろう。

 

チェック✔️ 自分にとってのセーフハーバーを見つけよう。

 

セーフハーバーSafe harbor ... あらかじめ定められた一定基準要件を満たしている限り、法令違反とはならないとされる範囲のこと。安全港。「デジタル大辞泉」より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【発達障害の就労移行支援とは?】リワーク施設訪問経験談

一定期間離職期間がある離職者が再就職しようと考えた際に、社会復帰を円滑に行うには、精神的身体的な面でどんな準備をしたらよいのだろうか。

 

厚労省のデータによると、就労移行支援を利用した精神障害者の利用者数は、平成20年を100とした場合に、7年間で約5倍に増えているそうだ。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000091254.pdf

 

では利用者側はどのような基準で、就労移行支援施設を選んでいるのだろうか。

わたし自身の体験を語りたい。

 

再就職活動するための助走期間

 

離職期間が長くなり、就職活動の前に準備期間が必要と考えた。その目的は、次のようなものだ。

  1. 生活のリズムを《会社員用に》整えること
  2. 職場で同じようにつまづかないよう対応力をつけること
  3. 自分の障害について理解すること

主治医にリワーク施設に通いたいという旨を伝えたところ、OKとのことであった。

 

いざ調べ始めるとたくさんの数の施設があり、名称も「就労移行支援、リワーク、デイケア」などの呼び名があることがわかった。

 

医師や役所の担当者からは次のようにアドバイスされた。

  • 自宅から通いやすいところ
  • 専門家が在籍しているところ

 

ネットで検索してもかなりの数が表示される。6箇所にしぼって見学した。

その結果、次のような特徴があることがわかった。

 

 

医療機関併設の特徴:

  • 医師や看護師心理士などのプロが在籍している。医療の自立支援医療(一割負担)の受給が可能である。
  • 自立支援医療を受給していない場合は医療保険(三割負担)での利用が可能。利用期間は最大一年間。
  • 現在離職している人、もしくは企業に在籍しており、復職を目指す人が対象。
  • 医療の一環として行っているので、離職者の就労支援自体はメインでない。
  • スポーツや手工芸、音楽療法などのプログラムがある。

 

就労移行支援施設の特徴

  • 民間の運営なので、スタッフのスキルもさまざま
  • 障害者雇用や一般雇用での就職を目指す 
  • 就職希望先に通所実績を報告する場合がある
  • 利用者個々の『支援計画』にもとづき障害福祉サービス受給者証が発行される
  • 自己負担上限月額は前年度の収入に応じて変わる。利用は最大二年間。

 

障害者職業センター

都道府県に一箇所ある。三ヶ月くらいのプログラムが多いようだ。(訪問なし)

 

リワーク見学の感想と判断基準

6箇所見学した感想としては、施設によってプログラムの内容や雰囲気にかなり違いがあるということ。具体的に入所を決めるためには、実際に体験すると自分に合うかどうかを判断しやすい。また区役所の福祉担当者からアドバイスされたのは、『自分が興味のないことを継続してできるか』を訓練することも大事だとという。なるほど、実際の職場では、「意味がない」「興味がない」と感じる仕事を遂行しなければならない場面はよくある。あえてそのような練習をすることにも意味があるとの指摘は興味深い。

 

チェック✔️ 

再就職を支えるための施設はさまざま。医療、福祉それぞれから自分の現状にあった再就職支援施設を選ぼう。

 

as-diary.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【発達障害を伝えるべき?】イーロン・マスクがアスペルガー症候群であることを告白した理由とは?

*本記事は2022/6/14にリライトしました。

イーロン・マスクの告白

2021年5月にテスラのCEO、イーロンマスクがテレビのバラエティ番組に出演し、自分がアスペルガー症候群であることを明かした。

www.bbc.com

 

The 49-year-old told viewers he was "the first person with Asperger's" to host the long-running programme - to loud cheers from the audience.

”わたしはこの長寿番組で’アスペルガー症候群の人物として’初めてのホスト役を務めているんだ!”

 

イーロン・マスクはなぜテレビ番組で告白したのか。

このことについて、ここで考察してみたい。

 

アスペルガー症候群であることを告白した当時の状況

2021年の5月と言えば、彼の会社テスラの株価が急上昇して、テスラはEV車のなかでももっとも注目されていた時期である。

また同時に彼が率いるSpace X社製造のStarshipも開発が進み9月には初めての民間人宇宙飛行士の搭乗も予定されていた。

世間の注目度がかなり高い時期に、あえてSNL(サタデーナイト・ライブ)に出演しそのホスト役を務めた。(番組出演は2度目)

 

なぜだろう?彼にもっとテスラやStarshipを宣伝する必要があったとは考えにくい。既に本人のTwitterYoutubeの熱心なファンたちのおかげで、テスラ社やSpace X社はパブリックマーケティングの部署を持たずとも、社会的に十分に認知されていたと言っていい。そもそも、大衆に向けて宇宙旅行を宣伝したり、テスラのEV車のオーダーが供給を上回っている状態でコマーシャルする効果はあるだろうか。

 

イーロン・マスクアスペルガー症候群であることをどう伝えたのか

"I don't always have a lot of intonation or variation in how I speak... which I'm told makes for great comedy," he joked in his opening monologue. "I'm actually making history tonight as the first person with Asperger's to host SNL."

いつも話すときにイントネーションや抑揚をつけないから、コメディ向きだって言われたんだよ” と言って冒頭から笑いを誘い、”アスペルガー症候群として初めてサタデーナイト・ライブ(注:番組名)のホストをやるという、偉業を今夜達成するんだ”

 

"Look, I know I sometimes say or post strange things, but that's just how my brain works," he said.

”ときどきおかしなことを言ったり、ツイートしたりするけど、それはわたしの脳の働きのせいなんだよ”

 

“I won’t make a lot of eye contact with the cast tonight.” 

”今夜はキャストたちとあんまりアイコンタクトはしないよ”

このセリフでもアスペルガー症候群の人にとって、視線を合わせない特徴があるのだということを伝えているのである。

 

アスペルガー症候群であることを伝える意図は何か

 

イーロン・マスクが伝えたかったこと・・それは社会的な影響力が大きくなることにより、自分の言動が「ノーマルでない」と言われてしまうこと、批判される状態をできるだけ避けたかったのではないだろうか。

そして自分の専門外であるコメディという、一見場違いなシーンでそれを”告白”することでアスペルガー症候群の負の面をユーモアに変えてみせたのだろう。

 

"To anyone who's been offended, I just want to say I reinvented electric cars, and I'm sending people to Mars in a rocket ship. Did you think I was also going to be a chill, normal dude?"

”これまでわたしが気分を害してしまった人たちに言いたい、私は電気自動車を造りかえ、ロケットで人類を火星に送ろうとしているんだ。こんなわたしが冷静でノーマルだなんて思えますか?”

 

そして彼自身これまで、気分を害させてしまった人たちがいることを「認識している」と伝えたうえで、彼の「非ノーマルな」言動の理由を釈明しているのだ。

それによって今後も一緒に働く人々やフォロアーの人々が戸惑ったり、奇異に感じたりすることなく、関わりを持ちたいという意図があったのではないか、と読み取れる。

 

実際、この彼の番組内での発言の後、多くの人がアスペルガーって何?こんな才能があるんだと気づくキッカケになったはずだ。

 

番組出演で、イーロン・マスクアスペルガー症候群であるということを明らかにしたことは、彼自身にとっても、多くのASD当事者、そしてその周囲の人々に有益であったといえるのではないだろうか。

 

チェック✔️ 自分の特徴を伝えることで、周囲の理解を得ることや余計な誤解や軋轢を抑えることにつながる。必要だと感じたなら。

 

参考資料:

What Elon Musk's Asperger comment could mean for the business world - Bollyinside

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【診断前の悩み】精神科、心療内科を受診するべきタイミングとは

もしかして自分は発達障害なのではないかという疑念がわいたとき、診断を受けるべきかどうか迷う人も多いのではないか。

受診や検査をした方がいいかどうかというのに正解があるわけではないが、一つの考え方として参考にしてもらえればと思う。

 

自分が発達障害かもしれないと疑念がわくということは、それだけその時の自分の置かれた状況や内面的な困りごとを自分で認識し、客観視できているということでもある。

この場合、診断を受けることで「ああ、自分は発達障害だったんだ」という納得感は得られるかもしれないが、それ以上に自分に有益なことはあまり多くはないと思う。

 

なぜなら検査を受ける時点での、あなたにとっての困りごとは、(「時間の想定が苦手」や「なぜか人間関係が続かない」などの)日常的にはよくぶち当たる困りごとかもしれないが、喫緊(きっきん)に解決しなければならない「困りごと」ではない可能性が高い。

それなのに「自分が発達障害かどうか、白黒つけよう」と考え、心療内科や精神科にわざわざ出向いてその「究極の答え」を得ようとすることは、本人にとってプラスになることがあまりないと考えるからだ。

 

もしなんらかの「発達障害」が診断されたとしよう。それ以降、生命保険や住宅ローンの申し込みに影響が出てしまう可能性がある。

そして逆に「発達障害ではない」という結論になったとしよう。少なくとも自分の期待と違う診断がおりたことに戸惑うことだろう。

得てして「発達ではない」という診断に納得感がないまま日常を送ってしまうことになるのではないだろうか。

 

逆説的な言い方になるかもしれないが、あなたが職場や学校などの人間関係で躓いたときが発達障害かどうかの診断を受けるチャンスだと思ってはどうだろう。

 

もし診断がされれば、躓き(つまづき)の原因がわかり、家族、会社、医療福祉面でのサポートを受けることができるだろう。また受診を継続することで、適応障害うつ病などの、深刻な二次障害を引き起こさないための危機管理をすることができる。

 

まとめると、「発達障害かどうか、知りたいだけ」であるならば、検査や診断を受けることによって保険加入や住宅購入に不利になることがある可能性を留意しておく必要がある。ただし、日常生活の人間関係や業務の遂行に「困りごと」がある場合には、診断を受けることで、問題解決につながる可能性がある。

 

チェック✔️ 発達障害の検査は生活上の問題が顕在化してからでもよい、という考え方もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一般的には数日間かけて行われる検査である。もし

 

 

 

【自力で障害年金2級取得した経験者が語る】初診日の申し立てのコツと方法

初診日についての基本をまず理解する

障害年金の申請を検討した人なら初診日の重要性はよく聞いていることだろう。

日本年金機構のホームページによると、初診日の定義は次のようになる。

初診日

障害または死亡の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

言葉通りに理解すれば、初診日というのは、「初めて診療を受けた日」ということになるので、その定義から考えれば、初診日を自分で指定したり、好きに変更することはできない。

 

でもこんなことはないだろうか。

  • 自分や自分の血縁の子どもが、発達障害と認定された。それをきっかけに、もしかしたら自分も発達障害かもしれないと疑い、検査を受けた場合

  • 発達障害ASDASD、LD)の検査では、診断されたものの特に治療を受けず、長らく通常の社会生活を送っていた場合

このようなケースで、申し立てをすることによって、初診日を移動することができる、それが社会的治癒と呼ばれるものだ。

 

わたしが発達障害の検査を受けたきっかけ

わたしが最初に発達障害の検査を受けようと思ったのは、2008年ころである。

甥っ子が幼稚園の先生から「発達の検査を受けた方がいい」と言われたのをきっかけに、自閉症であると診断された。それを聞いて、自分ももしかしたらそうではないかと考えたのである。2000年に日本で出版された『片付けられない女たち』(サリ ソルデン)という本を読み、自分がADHDなのではないかということが頭から離れなくなった。

 

近所の精神科を訪れて、ADHDかもしれないという話をしたものの、「そういうもの(病気)は扱っていない」と言われて、まるでお門違いなことを言っているのかとがっかりしたこともある。

 

しかしあきらめずにネットで探し続けた。そして神奈川県の茅ヶ崎で子どもを専門とする精神科で診断が受けられる可能性があることを知った。それから数日間かけてWAIS検査を受けられたのだ。

 

「現状では注意欠陥多動性障害である」という診断書をもらい、やっぱりそうだったのかという軽い安堵感を感じたことを覚えている。ただ当時は、通院治療は必要はないと言われた。当時薬物治療などはまだ行われていなかったのだ。WAIS検査の結果は、自分の特徴を知るための意味合いでしかなかった。そして自分にとってもそれが「障害である」という認識はなかったと思う。

 

実際のところ、その後10年以上にわたり、普通に仕事をしていたし、昇進や海外出張をこなしていた。

もちろん幼少の頃から続く、日々の「うっかり」や「気持ちの浮き沈みの激しさ」は続いたが、客観的事実として、普通に働けていたのだ。

 

二次的な病気が発症した

そこで障害年金の申請の話に戻るが、そもそも発達障害が本当の意味で自分の社会人生活の障害となったきっかけは「適応障害」の発症に端を欲する。管理的な上司のもとに配属されてしまい、仕事環境が変わってしまったのだ。

 

発達障害の2次障害として、適応障害うつ病などを発症するケースはよくあるそうだ。

 

以上のように、過去のある時点で診療は受けたものの、

  • 療養の必要がないとされたこと

  • 長期にわたり通常の社会生活がおくれていたこと

  • 自覚、他覚症状がみられなかったこと

 

これらを理由に「社会的治癒の申立書」を提出したところ、新たな初診日が認められた。

 

社会保険の運用上、傷病が医学的には治癒に至っていない場合でも、予防的医療を除き、その傷病について医療を行う必要がなくなり、相当の期間、通常の勤務に服している場合には、「社会的治癒」を認め、治癒と同様に扱い、再度新たな傷病を発病したものとして取り扱うことが許されるものとされており、当審査会もこれを是認している(以下省略) 

過去の判例

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/shinsa/syakai/dl/05-h27-06-a2_2-20.pdf

 

もちろん、認められるか否かは審査次第だ。でも初診日を変えることで受給条件が有利になる可能性があるのなら、申し立てをすることを検討しても良いのではないか。

 

チェック✔️ 原則を守りつつ、大事なことは申し立てをしよう!

 

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【経験者が語る】実際に自力で障害年金2級を申請して取得できた方法

 

障害年金申請できる可能性を調べてみた

障害年金の申請ができるかもしれないと知ったのは2021年の夏だった。

 

当時は傷病手当金の受給が終了したのち、どうしたらいいのかがわからず悩んでいた。コロナがまだ猛威を奮っていたし、体調からすると、すぐに就業するというのは現実的ではないように思えた。

 

ネットで調べたところ、障害年金社会保険労務士が取り扱っているということがわかった。その業者の多くが2〜3ヶ月の成功報酬制をとっており、「自力申請で不支給になった人もプロの社労士に依頼することで、申請が通った」という依頼者の声がのせられているものが多くあった。傷病手当金の申請時に手続きに戸惑った経験があったので、障害年金については、社労士に依頼しようと考え、何箇所かに問い合わせをした。

 

何人かの社労士に相談してみるものの、多くから「取れて3級相当だろう」と言われた。あるところでは、「最初に病院に行った日から、数年間働けたのなら、申請自体できないだろう」とか「他にもっと重症で困っている人の申請だけで手一杯」「このくらいならご自分でできますよ」とやんわりと断られることもあった。

 

『病歴・就労状況申立書』を書き出してみる

 

社労士に依頼できないのなら、自分でやるしかない。と考え、とりあえず一番大変な「病歴・就労状況等申立書」をぼちぼち書いていくことにした。

精神疾患が生来なものであるということを申し立てるために、自分が出生してからの出来事、困ったことなどを数年毎に区切って書いていく。

 

「出生時からの状況」というとすごく大変な作業に聞こえるかもしれない。

もちろん、生後すぐの記憶などはないが、幼稚園に通い始めてからの記憶は朧げにある。いや朧げ(おぼろげ)どころか、自分が幼稚園に行きたくなくて毎朝園の前で大泣きし、幼稚園へひきづられていったこと。お弁当の時間、帰りたくて仕方がなかったことなど、鮮明に覚えている。小学校へ上がってからも、しょっちゅう忘れ物をしたり、異様にある運動種目が不得手だったことなど、次から次へと思い出されてくる。

 

社会人になって家を出るとき、母が小学校の時からの通信簿や保健簿などまとめていたものを渡してくれていた。それには、学期毎の「先生からご家庭へ」のメッセージなども書かれている。先生からのコメントをまとめて読んでみると、何だか不器用な子供がありありと胸に浮かび上がるのだった。

 

ーーー

子どもの頃、他の子達がすごく羨ましかった。ずっとそれは家庭環境のせいだと思っていた。学校生活に馴染めなかったのは引越しや転校が多いためだと。でもそうではなかったんだ。子供の時の生きづらさ、周囲からの浮いた感じというのは、自分のなかから出て来ていたんだ・・・

ーーー

 

学生時代や社会人になってからも、どのような場面で、何が起こって、自分がどういう状態でいたのか、思い出すことは、確かに大変な作業だった。何日にも分けて書いた。

 

これは他人に頼めるレベルの仕事なのだろうか。ひたすら、思い出し、書き出していく。

面倒な点があるとすれば、それは年号の記述だ。西暦と元号が入り混じってしまう。気がつけば、もう三つの年号を生きている。

 

主治医に診断書を依頼する

 

主治医に障害年金の診断書作成を依頼すると、「もう社会保険事務所へは行きましたか」と聞かれ、社会保険事務所では「主治医には診断書を書いてもらえますか」と確認された。どちらもOKであれば、申請作業に入れるということなのだろう。

 

自分で「病歴・就労状況等申立書」のドラフトができた時点で、自力で申請をしてみることにした。ただ主治医が診断書をどのように書くのかは皆目検討つかない。以前に申請した精神福祉保健手帳は3級相当だった。その時の診断書をよく読んでみると、主治医は診察室での会話や以前うまく話せなかったときに渡した「困りごとメモ」を元に記載していることが理解できた。そうであれば、主治医が診断書を書きやすいようにすればよい。

 

それ以来、診察時には、障害年金の診断書の項目「食事、入浴、清潔保持、金銭管理」などの項目を自分に当てはめて、箇条書きし、手渡すということにした。主治医のカルテには、これまでに手渡した「困りごとメモ」が積み重なっているに違いない。

 

申請の窓口には合計三回の訪問だけだった

 

ラッキーだったのは、申請窓口の担当者がベテランの職員だったことだ。「病歴・就労状況等申立書」の体裁をさらに見やすいものに変えるよう、アドバイスしてくれた。また自ら用意した「社会的治癒の申立書」についても、「最初から申し立てを出しておく方が審査の際に良い」ということで、自分の主張が通り易くなるようにしてくれた。

 

障害年金の申請手続きには初診日や認定日などいくつかのキーとなる日付がある。事後重症による請求だったが、自分に不利にならないような請求ができた。マイナンバーカードも手続き書類の簡略化に若干役立っていたようだ。

 

約三ヶ月後、届いた結果は2級だった。仕事を辞めてから一番大きな成果だった。

まさか自分が40代で「年金」を受け取ることになるとは、想像もしていなかった。

無論期限は有限ではあるが、生活の不安がかなり軽減されるのは間違いない。

 

ーーーー

(結論)自力で障害年金申請できるか

振り返ってみて、障害年金の申請はやはり簡単とは言えない。

 

多くの必要書類、申し立てを書くための文章力も必要だ。

しかしだからといって「プロでなければ、申請は通らない」というのも違う。

話してきたプロの中で「2級」の可能性を示唆した社労士はいなかったし、精神科医の診断書は、究極的には患者の話がソースなのだから。

 

チェック✔️ 障害年金は自力で申請してもよい。十分に準備ができるならば。

 

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