【発達障害の傾向がある人向け体験談】心理療法の助けを得るには?
- カウンセリング、コーチング、セラピーなどのさまざまなセッションを受けて
- カウンセリングを受けるべきかどうか。
- 前向きに生きたいならコーチング?
- そもそもセラピーとはなんだろう?
- 自分の大切な家族、友人、仕事を守るために
カウンセリング、コーチング、セラピーなどのさまざまなセッションを受けて
カウンセリング、コーチング、セラピーを15年以上受け続けている。
期間については、単発で受けたり、半年間という期間を設けたりとその時の状況による。カウンセラーであれ、コーチであれ、誰かに依頼する前に、無料・有料の体験セッションもあったりするので、何十人もの人のセッションを受けた事になる。多くの心理的サポートを受けられたことに感謝する反面、継続するためのセッションフィーをどう払ったらいいか悩んだこともある.
わたしはカウンセリングやコーチングなどの専門家ではないが、それを受ける側としてはたくさんの経験を積んできた。ASDのわたしが『受ける側』として感じたことがあるので語っておきたい。
カウンセリングを受けるべきかどうか。
カウンセリングを受けた方がいいのかどうか、迷う人は多いと思う。
わたしがカウンセリングを受けたのはASDの診断後だ。診断結果の受け止めとともに、自分の中に引っかかる問題があり、辛く感じた頃で、オンラインでのカウンセリングを受けることにした。
<カウンセラーの選び方>
プロフィールを参照しながら、次のような基準で選ぶと良い。
- プロフィールの中から、自分が話したいトピックについて「得意」としている人
- 臨床心理の経験がある
- 写真を見て話しやすそうなカウンセラーと自分が感じるかどうか
カウンセリングは1回でその人にするかどうか判断するのは難しい。大抵の場合、自分のその時の状況を話すだけで精一杯だ。ASDである自分の場合は、とりわけ、「細部を説明しようとするあまり、重要なことが抜けてしまう」ことがある。
自分が本当に感じていることや考えていることを話し、それに対するカウンセラーからの反応やフィードバックを聞いて、初めて「この人に頼むかどうか」を決めることができるもの。だから3回くらいのセッション代を支払っても良いと思えれば、受けていいと思う。
自分は視覚情報があると話の内容に集中できない場合は、オンライン・カウンセリングを利用するのも良い。特にコロナ以降オンライン・カウンセリングが普及したようで歓迎したい。心の問題は、話すのにもエネルギーを使うので、セッション前に移動があったりすると、それだけでしんどく感じたりする。その点、家で(ベッドの中からでも)セッションが受けられることの恩恵は大きい。
また音声のみのカウンセリングでは、カウンセラーの声がセッションの心地よさを左右することもある。
前向きに生きたいならコーチング?
コーチングはわたしが一番長く受けてきたものだ。コーチングについては「受ける」だけでなく実際に自分が「コーチング」をやってみたいと思い、コーチング団体が主催するワンデーセミナーを受けに行ったこともある。
コーチングには何か引き寄せるものを感じる。人生をより良くしよう、その人の潜在能力を最大限に伸ばそう、のように。(だからASDの自分はもっと「まともな」生活を送ることを渇望し続けて継続したのだろう)
確かに、セッションを通じて、「あっ!」という強い閃きを(ひらめき)感じたことも何度かある。何かそこに、価値があるような・・・でも無形のサービスである限り、費用対効果の有無を語るのは実際に困難だ。
コーチング界隈でよく疑問を呈されるのが、セッションの料金設定とその提供している価値のバランスについてだ。
例えば次のような言説である。
「金銭的に余裕がないクライアントに対して、そもそも料金設定が高すぎるのではないか」
「高いお金を払っているからこそ、クライアントがコミットし、効果がでるものだ」
経験豊富なコーチの方が少ないコーチより高いのは、誰もが納得できるだろう。でもそもそもの適正価格って?
これは1セッション5000円から20万円まで払ったことがあるクライアント体験者としての考えだ。
あなたがコーチを選ぶ時、おそらくその人の(コーチング以外)の経歴に惹かれることが多くないだろうか。
コーチはキラキラした経歴の人が多く、さらに自分は「○○○コーチです」というブランディング(?)をしている人も多い。
わたしはこの人に会ってみたいとか、話してみたい、などの直感を感じる人であれば、まず一回受けてみるのはいいと思う。コーチングはカウンセリングと違い、一回受ければ大体相性の合う合わないがわかる。
フィーが高いかどうかについては、あくまで自分中心に決めればいいと考える。払えると思えばセッションを受ければ良いし、高いと思ったら受けないというのがコツだ。
そもそもセラピーとはなんだろう?
ここで取り上げるセラピーはよく日本で見かける「○○○セラピー」といった名称のものを指す。ヒプノセラピー(前世療法)やインナーチャイルドなど。日本では《スピリチュアル》なものに分類されることもある。
セラピーとカウンセリングは「悩み事や困りごとを聞く」という点では同じかもしれないが、カウンセリングは、クライエントの話を整理したり、会話のなかで、気づきを得ることが多い。一方セラピーは「癒し」という言葉の通り、もっと範囲が広い。セッションの場ですぐ具体的な解決策が出てくるとは限らないこともあり、その変化を後日の日常生活で実感することもあるだろう。
また国家資格ではなく、その技法を学んだセラピストが施術をしている場合、発達障害やASD、ADHDを前提にしてのサポートは期待しにくい。
むしろ「困り事」「悩み事」そのものの解決に焦点を当てるので、気軽に体験したり、誘導が行われるなど、セラピストとクライアントの「共同作業」と捉えることもできるだろう。
自分の大切な家族、友人、仕事を守るために
以上、これまでカウンセリング、コーチング、各種セラピーを受けてきた筆者自身の体験である。大雑把に分けると、ASD診断を受ける前の困りごとはセラピー、何か目標があればコーチング、障害や自分自身とじっくり向き合いたいときにはカウンセリングという形でサポートを受けてきた。
発達障害の診断の有無に関わらず、ASD・ADHDの傾向がある人にとって、心理的なサポートを受けることは、ほぼ生涯全般にわたって必要なことなのかもしれない。無論、家族や友人に話をすることも大事だが、身近な人が発達障害者の「困りごと」を忍耐強く聞き、長期間サポートしていくのは、容易なことではない。
自分の心のセーフハーバーを見つけることが、自分と自分の大切な周囲の人にとって、良い関係を維持していくための鍵であると言えるだろう。
チェック✔️ 自分にとってのセーフハーバーを見つけよう。
セーフハーバーSafe harbor ... あらかじめ定められた一定の基準や要件を満たしている限り、法令違反とはならないとされる範囲のこと。安全港。「デジタル大辞泉」より